法人カードを作るべきか検討しているものの、「本当に法人カードは必要なのか」「個人カードではなく法人カードを利用するメリットが知りたい」と思っている方も多いでしょう。
今回は、法人カードのメリット・デメリットについてご紹介します。
個人カードとの違いや、法人カードの種類ごとにどんな特徴があるのかについても解説しているので、ぜひ参考にしてください。
法人カードの7つのメリット
法人カードを作成するメリットは、次の通りです。
- 追加カードも発行できる
- 経費精算の手間とコストが省ける
- ポイント・マイルがたまり経費削減につながる
- 年会費を経費にできる
- ビジネス向けの優待・保険が付帯している
- 経費をいつどこで何に使ったのか明確になる
- 資金繰りに余裕が生まれる
1.追加カードも発行できる
本会員が法人カードを作成すると、従業員分の「追加カード」も複数枚発行できます。
本会員の法人カードと従業員の追加カードは、利用金額の請求をひとつの口座にまとめることが可能です。
社員が経費として支払った金額を、一括管理できます。
2.経費精算の手間とコストが省ける
従業員が追加カードで支払った分の経費は、本会員の法人カードと同じ銀行口座からまとめて引き落とされます。
後から領収書を提出し、立て替えていた分の接待費用や出張費用を精算する手間が発生しません。
経費精算のための振り込み手数料も不要です。
さらに会計ソフトと連携できる法人カードなら、会計処理が効率的になります。
経理の負担とコストを、大幅に削減可能です。
プライベートの出費とビジネスの出費を、明確に分けて管理できるというメリットもあります。
3.ポイント・マイルがたまり経費削減につながる
法人カードで支払った金額に応じて、ポイントやマイルがたまっていきます。
ためたポイントは、法人カードの利用金額の引き落としに充当したり、商品券と交換したりすることが可能です。
会社の経費削減につながるでしょう。
4.年会費を経費にできる
法人カードの年会費は、経費計上できます。
特にステータス性が高いゴールドカード・プラチナカード・ブラックカードなどは、年会費が高額になる場合があります。
経費計上することで、コスパよく所有できます。
5.ビジネス向けの優待・保険が付帯している
法人カードには、ビジネスで役立つ優待や保険が付帯しています。
- カードの利用明細をクラウド会計ソフトと連携できるサービス
- ホテルや飛行機の予約を任せられるコンシェルジュサービス
- 空港ラウンジを無料で利用できるサービス
- 提携施設の割引利用サービス
- 提携レストランで1名分のコース料理代金が無料になるサービス
出張や接待の費用を抑えることが可能です。
6.経費をいつどこで何に使ったのか明確になる
経費を法人カードで支払えば、履歴が残ります。
いつどこで何円分の支払いをしたのか、明細書に記録されるため、経費の申請忘れや領収書の紛失によるトラブルを減らせるでしょう。
また、従業員が私的な目的のために経費を使ってしまうことも防げます。
7.資金繰りに余裕が生まれる
法人カードで支払った経費は、すぐに指定の口座から引き落とされるわけではありません。
毎月のクレジットカードの支払い日まで、時間的な猶予があります。
会社の資金が少なくても、資金繰りに余裕を持たせることが可能です。
法人カードの4つのデメリット
メリットが多い法人カードですが、次のようなデメリットもあります。
- 年会費有料の法人カードが多い
- 従業員同士で使い回しはできない
- 社内で利用ルールを設ける必要がある
- 経費をすべて法人カードで払いきれない可能性がある
1.年会費有料の法人カードが多い
法人カードは、年会費有料のものが大半です。
年会費の相場は、おおよそ次の通り。
- 一般カード…数千円
- ゴールドカード以上…数万円
クレジットカード会社によって法人カードのランク分け方法は異なりますが、一般的にはゴールドカードよりプラチナカード、プラチナカードよりブラックカードのほうが、年会費は高額です。
グレードが高いプラチナカードやブラックカードの場合、年会費が数十万円かかることも珍しくありません。
中には年会費無料の法人カードも一部ありますが、初年度以降は年会費が発生する、追加カードをごく数枚しか発行できないといった制限が設けられています。
なお、UCプラチナカードはプラチナランクでありながら年会費が安いため、これまでプラチナカードにハードルを感じていた方も手に取りやすくなっていておすすめです。
\初期限度額最大700万円!ビジネスでも使える100以上の優待特典!/
2.従業員同士で使い回しはできない
法人カード・追加カードは、従業員同士で共用できません。
なぜかというと、法人カード・追加カードの名義は会社ではなく、利用者の個人名だからです。
クレジットカードを名義人以外が利用すると、規約違反になってしまいます。
法人カードの発行を申し込む前に、誰の名義で発行するか決めておいてください。
社内で使い回しをしない前提で、年会費の予算を組み、発行できる追加カードの枚数を確認しましょう。
3.社内で利用ルールを設ける必要がある
会社に法人カードを導入するなら、最初に利用ルールを決めておかないと、スムーズに運用できない可能性があります。
最低限、次のルールを決めておくことをおすすめします。
- 追加カードは誰が持つのか
- 上司への報告はどうするか
- 利用範囲はどこまでか
- 領収書の提出は必要か
法人カードの履歴には、払った金額や決済日が記録されますが、具体的な用途の判断は難しい場合もあります。
領収書を提出するように決めておけば、利用明細と照らし合わせて二重チェックが可能です。
4.経費をすべて法人カードで払いきれない可能性がある
同じ法人カードでも、利用上限金額はユーザーごとにそれぞれ異なります。
審査が終わるまで、法人カードの利用上限金額が何万円になるか分かりません。
利用上限金額が低く設定されてしまうと、経費をすべて法人カードで払いきれない可能性が出てきます。
法人カードの種類
法人カードには「ビジネスカード」と「コーポレートカード」の2種類があります。
- ビジネスカード…中小企業・個人事業主向け
- コーポレートカード…大企業向け
追加カードを持たせたい従業員数や企業の規模に応じて、どちらにするか決めましょう。
なおカード名が「ビジネスカード」でも、実際の中身はコーポレートカードである、という場合もあります。
カードの名称だけで判断せず、詳細を確認して、自社に合っているかどうか見極めましょう。
ビジネスカードとは|中小企業・個人事業主向け
ビジネスカードとは、おもに従業員20名以下の中小企業や個人事業主が対象の法人カードです。
ビジネスカードのメリット
ビジネスカードのメリットを確認していきましょう。
- 個人事業主やスタートアップ企業も申し込み対象
- 年会費無料の法人カードが見つかる
- 代表者の本人確認書類だけで申し込める
メリット①個人事業主やスタートアップ企業も申し込み対象
法人カードというと、「企業しか申し込みできないのでは?」と誤解されがちですが、実際は個人事業主でも発行できます。
またスタートアップ企業も申し込み対象です。
「起業したばかりで、会社の経営実績が不安」という場合、まずはビジネスカードの発行を検討してみるといいでしょう。
メリット②年会費無料の法人カードが見つかる
法人カードのデメリットは、年会費有料のカードの割合が高いことだとご紹介してきました。
しかしビジネスカードなら、年会費無料の法人カードも見つかります。
コストをおさえて法人カードを作りたいなら、ビジネスカードはおすすめです。
メリット③代表者の本人確認書類だけで申し込める
通常は法人カードの発行を申し込むと、法人の信用情報をもとに審査されます。
企業の登記簿謄本や、決算書の提出が必要です。
しかしビジネスカードは、法人の書類を提出しなくても、代表者個人の本人確認書類だけで申し込める場合があります。
起業したばかりの方や、個人事業主の方にとっては、特に大きなメリットです。
ビジネスカードのデメリット
ビジネスカードのデメリットは、次の通りです。
- 追加カードの発行可能枚数が少ない
- 利用限度額が低め
デメリット①追加カードの発行可能枚数が少ない
ビジネスカードでは、追加カードを3~5枚程度までしか発行できません。
カードを持たせたい従業員数に対して、発行可能な追加カードの枚数が不足しがちです。
追加カードをもっと多く発行したいなら、コーポレートカードも検討してみましょう。
デメリット②利用限度額が低め
ビジネスカードはコーポレートカードと比較して、利用限度額が低めに設定されています。
経費を法人カードでたくさん支払うことが想定されるなら、注意したいポイントです。
おすすめのビジネスカードは「UC法人カード(一般)」
.jpg)
年会費 | 1,375円(税込) |
---|---|
追加カード年会費 | 1,375円(税込) |
通常ポイント還元率 | 0.5% ※1ポイント5円相当のアイテムと交換した場合 |
ETCカード | 年会費無料 |
発行日数 | 通常1~3週間 |
旅行保険 | – |
利用限度額 | 最大3,000,000円 |
ポイント付与対象 電子マネー |
– |
国際ブランド | MasterCard |
アプリ | – |
UC法人カード(一般)は、年会費が1,375円(税込)と手頃な法人カードです。
追加カードも年会費1,375円(税込)で複数枚発行できます。
法人カードのコストをおさえたい方におすすめです。
ためたポイントはギフトカード等に交換可能です。
\あなたのビジネスをサポート!/
コーポレートカードとは|大企業向け
コーポレートカードとは、従業員数が約20名以上の企業に向けて発行される法人カードのことです。
大企業におすすめの法人カードとなっています。
コーポレートカードのメリット
コーポレートカードには次のようなメリットがあります。
- 追加カードの発行可能枚数が多い
- 利用限度額が高め
- 追加カードごとに利用上限額を設定できる場合がある
メリット①追加カードの発行可能枚数が多い
コーポレートカードはビジネスカードより、発行できる追加カードの枚数が多いです。
中には発行可能枚数に上限がないコーポレートカードもあります。
「ビジネスカードでは追加カードの数が足りない!」という場合におすすめです。
メリット②利用限度額が高め
利用限度額が高めに設定されているのも、コーポレートカードのメリットです。
まとまった出費を法人カードで支払いやすくなっています。
また、追加カードごとに利用上限額を設定できる場合もあります。
コーポレートカードのデメリット
コーポレートカードのデメリットは、以下の通りです。
- 基本的に一括払いしかできない
- キャッシングができない
- ポイント機能がないコーポレートカードもある
デメリット①基本的に一括払いしかできない
コーポレートカードでは基本的に、一括払いしかできません。
リボ払いや分割払いには対応していないコーポレートカードが多いです。
なおリボ払いとは、利息を上乗せする代わりに、毎月の引き落とし金額を一定にする支払い方法のことをいいます。
デメリット②キャッシングができない
キャッシング機能がないコーポレートカードも多いです。
キャッシングとは、お金を借りて決済する機能のこと。
キャッシング機能を利用したい場合、契約前によく確認しておきましょう。
デメリット③ポイント機能がないコーポレートカードもある
法人カードでは個人カードと同様、利用金額に応じてポイントがたまっていきます。
しかし一部のコーポレートカードには、ポイント機能がありません。
お得度を重視するなら、特に注意したい点です。
法人カードは本当に必要?個人カードとの違い
法人カードを持っていなくても、個人向けのクレジットカードを持っている方は多いでしょう。
「今は個人カードで経費を支払っているけど、法人カードに切り替えるべき?」「ビジネスで利用するからといって、法人カードを選ぶ必要はないのでは?」と疑問を抱きますよね。
確かに法人カードより個人カードのほうが、優れている点もあります。
しかしビジネスに個人カードを利用すると、困る場合があるのも事実です。
詳しく見ていきましょう。
個人カードを選ぶメリット
法人カードではなく個人カードを選ぶと、次のようなメリットがあります。
年会費無料の個人カードが多い
個人カードは年会費無料で発行できるものが多いです。
一方法人カードは、年会費無料のものに絞ると、選択肢が限られてしまいます。
個人カードをビジネスでも利用すれば、維持コストをおさえられる可能性が高いです。
ポイント還元率が高い
個人カードは全体的に、ポイント還元率が高めです。
年会費無料だとしても、ポイント還元率が1.0%を超えることも珍しくありません。
特定の店舗や会員専用サイトを利用すると、さらにポイント還元率が上がることもあります。
法人カードは個人カードほど、ポイント還元率の高さに力を入れていない場合もあるので、ポイントをためたいならビジネスで個人カードを使ってもいいかもしれません。
個人カードを選ぶデメリット
ビジネスで個人カードを利用すると、次のような不都合が生じることもあります。
法人口座を引き落とし先に指定できない
個人カードは、利用金額の引き落とし先に法人口座を指定できません。
法人カードなら、法人口座を引き落とし先に設定できます。
なお法人カードだからといって、必ずしも法人口座しか利用できないわけではありません。
下記の通り、個人口座から引き落とせる「個人決済型」の法人カードもあります。
- 引き落とし先が法人口座の「会社決済型」
- 引き落とし先が個人口座の「個人決済型」
追加カードではなく家族カードしか発行できない
個人カードでは、家族に対して「家族カード」を発行できます。
しかし従業員に対して追加カードを発行することはできません。
従業員にもカードを持たせたいなら、個人カードより法人カードがおすすめです。
法人カードの選び方
法人カードを選ぶときは、次の点を確認しましょう。
- 申し込み条件
- 年会費
- 追加カードの発行可能枚数
- 利用限度額
- 優待・保険内容
- ポイント還元率
申し込み条件
申し込み条件を満たしていないと、審査で落とされてしまいます。
たとえばUC法人カードの入会資格は、「法人および個人事業主」です。
どのクレジットカード会社でも、「こうすれば100%審査に通る」という基準は明らかにされていません。
申し込み条件を満たしていることは、あくまで最低条件だと捉えておきましょう。
また起業したばかりの方や、個人事業主の方は、登記簿謄本や決算書の提出が不要かどうかも確認しておきましょう。
個人カードと同じように、経営者の本人確認書類だけで発行できる法人カードなら、申し込みまでの準備が簡単です。
年会費
年会費は法人カードを持っている限り、ずっと発生し続ける維持コストです。
周囲に差をつける1枚を持ちたいなら、ステータス性が高いゴールドカードやプラチナカードもおすすめですが、年会費は高くなってしまいます。
予算に応じて選びましょう。
従業員の分も発行したいなら追加カードの年会費、ビジネスで車を利用するならETCカードの年会費も要確認です。
追加カードの発行可能枚数
法人カードごとに、何枚まで追加カードを発行できるか決まっています。
追加カードを持たせたい従業員の人数に対して、発行できる追加カードの枚数が不足していないか、確認しましょう
中には追加カードの発行可能枚数に上限がない法人カードもあります。
利用限度額
利用限度額とは、クレジットカード払いが可能な合計金額のことです。
利用限度額まで使い切ってしまうと、翌月になっても口座からお金が引き落とされるまで、利用枠は回復しません。
法人カードごとに利用限度額は異なります。
あらかじめ自社で毎月出張費や接待費がどれくらい発生しているか調査しておき、その金額に対して利用限度額が不足していない法人カードを選んでください。
この確認を怠ると、「せっかく法人カードがあるのに、今月はもう使えない」ということになりかねません。
なお利用限度額は、公式サイトに「最大○万円」と書かれていても、審査結果によってはそれより低く設定されます。
できるだけ最大利用限度額が高めに設定されている法人カードを選ぶといいでしょう。
優待・保険内容
自社にとって利用価値の高い優待・保険が付帯している法人カードを選びましょう。
年会費が高い法人カードほど、優待の内容は豪華です。
付帯保険も、年会費が高いほど手厚い傾向があります。
しかし活用機会の少ない優待・保険が付帯している法人カードを所有すると、高い年会費を払い続けるだけになってしまうかもしれません。
法人カードの優待は会社の福利厚生としても活用できるので、従業員の意見も聞きながら、どんな特典付きの法人カードを選ぶか検討しましょう。
ポイント還元率
法人カードのポイント還元率を比較するときにチェックしたい点は、「何円の支払いごとに1ポイントたまるのか」と、「1ポイントあたり何円として利用できるのか」です。
一見ポイント還元率が高そうな法人カードでも、上記の2点からポイント還元率を計算してみると、実はそれほどお得ではないこともあります。
あわせて下記の項目も確認しておきましょう。
- ポイントに有効期限はあるか
- ポイントの使い道に困らないか
ポイントがたまりやすく使いやすい法人カードなら、経費削減に役立ちます。
法人カードのメリット
法人カードは、ビジネスで役立つメリットが豊富です。
特に次のような点は、個人カードにはないメリットとなっています。
- 従業員向けの追加カードを発行できる
- ビジネス向けの優待が付帯している
- 利用金額を法人口座から引き落とせる
小規模事業者は「法人カードは必要ないのでは?」と思うかもしれません。
しかし個人事業主であっても法人カードを作ると、プライベートの出費と明確に分けて管理できる、会計ソフトとの連携で経費管理が楽になるといったメリットがあります。
安い年会費で作成できる法人カードもあるので、ぜひ発行を検討してみてください。